何やら論文みたいなタイトルになってしまいましたが、前回は「インディー・カームラ」となって、念願だったペトラ遺跡を心ゆくまで堪能したカームラですが、今回のブログでは、ペトラ遺跡を2日間かけて回った時に感じた「ペトラ遺跡と観光地の現状」について、カームラのリアルな意見と共に見ていこうと思います。
前回のブログで、カームラと一緒にペトラ遺跡を回ってくれたRYOさんは、JICAの活動で観光広報としてペトラに派遣された方です。RYOさんはペトラ遺跡をもっと多くの方に知ってもらうべく、日々ペトラで活動しています。
そして私事ですが、カームラは大学時代の卒論で「観光開発」について調べていたこともあり、RYOさんとペトラ遺跡を回っていた際に、色々と思うところがあったので今回はそこに焦点を当ててペトラ遺跡を見ていこうと思います。なのでいつものブログとはテイストが違いますが、ご了承ください。
世界遺産に住む人たち
前回も上げましたが、このペトラ遺跡は
と書きましたが、この地元の人というのが「ベトウィン」と呼ばれる人たちです。昔いるペトラの遊牧民という感じです。このペトラはもちろん世界遺産ですが、ペトラ遺跡には多くの普通に人が生活しているような形跡が見られます。
これはペトラ遺跡に限ったことではないのですが、元々遺跡に住んでる人たちからすれば
「私たちが住んでいる場所なのに勝手に観光地にしないでくれます?」
という意見と、国からすれば
「貴重な文化遺産を保護したいし、観光地化もしたいのでここから出て行ってくれます?」
という意見がぶつかる訳です。この問題は観光地化する時や、発掘調査があるときによく起こる問題です。
このペトラ遺跡で実際にそのような争いがあるかは表面的には分かりませんが、たぶん国としては「ここを世界遺産にする代わりに、ベトウィンの人たちのペトラ遺跡での商業活動を認めている」ことでバランスを保っている感じがします。つまり
政府「あなた達の居住区を観光地化する代わりに、そこでお金稼いでいいから、これで妥協してくれへんか?」
ということです。
「観光地化と地元の人たちの生活」という問題はペトラ遺跡に限らず、世界中の観光開発においてよくあることですし、これによって起こり得る問題が出てくるのです。
実際に観光してても、人々の生活感をすごく感じますし、遺跡でスマホいじりながら寝てる人や、曲を爆音でかけている人もいます。家が世界遺産なのってシンプルにすごい…(日本の白川郷もだった)
客引きをする子供たち
ペトラ遺跡を散策していると、平日の日中にも関わらずたくさんの子どもたちがお土産屋や客引きをしてる姿が見られます。
カームラ「ここの子供たちって学校に行かないんですか?」
RYOさん「一応、街には学校あるけどね…」
カームラ「今は休みなのかな…」
もしかしたら学校が夏休みシーズンだったかもしれませんが、子どもなのに流暢な英語で話しかけてくる子がたくさんいました。余計なお世話かもですし、ここにはここの生活があるのは分かりますが
「ここで生まれた子は親のように客引きになって、またその子の子供も客引きをして稼いで生活するのかな…負のループじゃん…」
と思うと、観光地での教育レベルが進まないのかも…と思うカームラでした。
これはペトラだけでなく「カンボジアのアンコールワット」でも同じようなことが問題になっています。アンコールワットの注意事項に
というものがあります。
長期的な目で見たら、しっかりと学校に行って教育を受けて仕事に就く方が稼げるかもしれません。
しかし、その日の生活をするので精一杯な子にとっては学校に行きたくても行けずに働くしかない子もたくさんいます。観光地で働く子どもをみるたびにカームラは「どうにかならないものか…」とつくづく思います。
多額なチップ請求
これはペトラ遺跡でちょっと深刻かなぁ〜と思います。例えばペトラ遺跡を入場してすぐに
「馬に乗って行かない!?」
「馬はチケット代金に含まれているよ!」
「料金はフリーだよ!」
と言う客引きがたくさんいます。RYOさん曰く
「チケット代に含まれているとか言ってるけど、最後にチップ代の請求がすごいらしい…」
とのこと。ちなみに、カームラはペトラ遺跡2日目は1人で行ったのですが、帰り道が暑すぎて「歩いて帰るのしんど〜」と思っていたところに「馬に乗って行かない?」と客引きのおっちゃんから声を掛けられたので「金額はフリーだよね!?ノーチップでもいいのね?!」と念押ししたところ「もちろんフリーでOKだよ!金額はチケット代に含まれているからね!」と言われて、10分だけ馬に乗りました(馬好きだから普通に乗りたかった)
そして、馬降りたらすぐにおっちゃんが「はい、チップ代10JD=2000円ね」と言ってきたので「はいはーい!これで!ありがと〜!」と言って、おっちゃんの手に1JD=200円だけ握らせて、振り返ることなく速攻で帰りました(何か色々言ってたけどガン無視して帰った)
また最初のエントランス付近の馬以外にも、ペトラでは暑くて日陰がない上に急な岩場が多いので、色んなところで疲れている観光客を狙って
「馬に乗らない?2000円だよ〜」
「ロバ乗る?4000円だよ〜」
という客引きがたくさんいます。
ただでさえ入場料で1万円も払っているのに、そこから馬やロバの課金制度があったら流石にお金がかかりすぎです。ですが、一方で「課金さえすれば誰でもラクに行くことができる」ので良いことかもしれませんが、さすがに金額が高すぎるかと思います(一旦断ると半額の値段を言ってきたりするし)(言い値ではダメ絶対)
このように、ペトラでは多額のチップで稼いでいる客引きが多くいるのですが、次はカームラが実際に経験した話をします
ベストスポットでの値切り対決
2回目のペトラ観光を楽しんでいたカームラは、最後にどうしてもやってみたいことがありました。
結論から言うと、ここに登って写真を撮りたかったのです。しかし、ここに行く際も客引きとバトルしなきゃいけません。まず、そもそもの話なのですが…
RYOさんに教えてもらったのですが、遺跡の前にはこのようなポスターが貼られています。このポスターは「上に登るのはお金かからないよ!」という注意喚起のポスターなのですが、客引きに対して「ほら、このポスターにフリーって書いてあるよ?」と言っても「それは歩いて1時間かかるコースだ、俺らのは5分で上に行けるからな」と言われてしまいます…
しかも、すごいことに次の日に一人で行った際に…
カームラ「昨日のポスター剥がされてるやん!?」
まさかの昨日まではあった注意喚起のポスターが剥がされていました…!(RYOさんに報告したらビックリしてました)
また、ペトラ観光1日目の時にRYOさんが
「前に聞いた時は上に行くのに一番安くて2JD=400円だったかな〜」
と言っていたので、客引きに「2人でいくら?」と聞いたら「12JD=2400円!」と初手ですごい吹っかけられたので「それならいいや〜」と言ったら「10JDで!」と言ってきたので「2人で4JDじゃないと無理!」と言っても、なかなか渋られたので帰ろうとしたら最後に「もう2人で5JDでいいよ!」と言われましたが、この日は疲れてたのでこのまま帰りました。
そして次の日、カームラは「2JDで登ってやる!」と心に誓いながら客引きとの戦いが始まりました。
客引き「上まで12JDだよ」
カームラ「2JDじゃないとヤダ(初手からすごい値段言うな…舐められてる…)」
客引き「2JDはありえないよ」
カームラ「私の友達が2JDで登ったって言ってたよ」
客引き「値上がりしたんだ」
カームラ「でも2JDで」
客引き「じゃあ7JD!」
カームラ「2JD!(すごい値下げしたな)」
客引き「5JD!」
カームラ「じゃあ、もういい(一旦引くか…)」
客引き「…4JD!」
カームラ「2JD!!!!!」
と言う争いを20分くらいやって疲れたので、一旦カフェに入りました。
ペトラ遺跡のカフェはWi-Fiが発達してるので便利です。ただ紅茶だけで400円は取るので良い商売してます。
ちなみにペトラ遺跡は奥に行けば行くほど飲み物の値段が跳ね上がります!水は基本200円ですし、1番すごい場所ではコーラが600円で売られてました…(これにはディスニーランドもびっくり)
そしてカームラがカフェにいる間もさっきの客引きのお兄ちゃんがやってきて
客引き「頼むから4JDで!」
カームラ「2JDだよ!」
客引き「お願いだよ〜」
カームラ「今、休憩中だから後でね」
という攻防をしてもなかなか4JDから下がらないので「はぁ…もう3JD=600円で妥協かな…」と思ってたところに「3JDでどう…?」と言ってきたので「3JDしか払わないからね?OK?」と念押しして聞いて「OK!」と言われたので、ついに登ることにしました!
お金を払っているだけあって、写真を撮ってくれるなどのサービスはありますが、さいご帰ろうとした時に「ここの入場料1JD払って!」と言われてカームラは「…はい?」と思ったのでさすがに無視しました(そしたら何も言わなくなった)
そして、下に降りてカームラとずっと交渉してたお兄ちゃんに3JDだけ渡して終わりましたが、カームラが渡した3JDは近くにいたリーダーみたいなおじさんにすぐのお金を回収されているを見て
「あ…そうか…結局どう頑張っても下っ端が儲からないシステムか…悲しいな…」
と思いました。カームラとずっと値切り対決をしていたお兄ちゃんの年齢を聞いたら「17歳」と言っていました。高校2年くらいの子が世界中から来た観光客を客びきしてお金を徴収しては、最後にボスに回収される日々を送っていると思ったら、何とも言えない気持ちになりました。
以上、カームラがペトラ遺跡で感じたことでした!いかがだったでしょうか?勘違いしてほしくないのですが、カームラはペトラ遺跡にいる人々を非難しているのではなく、こうした観光地における問題はペトラに限らず世界中の観光地で起こっているということです。
せっかく、遠いところから観光しに来たのに、ぼったくられて嫌な想いをしたら、せっかくの観光が台無しになってしまう。そうなると観光地を訪れる人が減ってしまうかもしれない。そうした観光地に悪影響を与える問題があるのに、一向に解決策がないのが、今の観光地の現状なんだと思います。
文章だらけでつまらない記事になってしまいましたが、カームラが念願のペトラ遺跡に行けて、そこで感じたリアルな感想をちゃんと残しておきたいと思い、このブログを書きました。
では、気を取り直してペトラ観光2日目のハイライト写真です!
以上!ペトラ遺跡で感じた観光問題でした。繰り返しますが、これは決してペトラ遺跡を非難したい旨のブログではなく、念願だったペトラに行ったからこそ、改めて感じた観光地の問題を記事にしたかっただけです…!みなさんも様々な観光地に行くと思いますが、たまには視点を変えて、そこに住んでいる人たちについて考えてみるきっかけにこのブログがなれたら嬉しいです。
ちなみにリアルタイムではエジプトのピラミッドに行ってきたカームラですが、ペトラで感じたことと同じような問題をピラミッドでも感じています…(エジプトの方がタチ悪いわ…)
それについてはまた後日上げたいと思います!ではまた〜!
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